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会議で自分の発言を印象づけるベスト・タイミングとは




オリンピックの体操競技を見ていると、最初に演技する選手にいい点がつくことはまずありません。解説者も、「一番手の選手は、不利ですよねえ」などと言っています。

これは、最初の選手の演技が、その大会での基準となりやすいからです。


二番目以降の選手は、最初の選手の演技とくらべて、いい悪いが判断されます。

その間、最初の選手の印象はだんだん薄くなり、あとにくる選手のほうが強い印象として残ります。

実際には、同じような演技であっても、最初の選手よりも後半の選手のほうがうまいような気がして、高い点数になりやすいのです。

同じようなことは、会議にもいえ、最後に発言した人の意見は、その会議でもっとも支持を得やすくなります。

これは、アメリカの心理学者N・H・アンダーソンの行った実験でも証明されています。


ある事件を素材にした模擬裁判を行い、証言の順番によって陪審員の判断がどう変化するかを調べた実験です。

その実験では、弁護側から六つ、検事側から六つの証言を出し、不公平にならないよう、文章の長さはどの証言も同じになっています。

そうして証言の順番を、二通りのやり方でそれぞれ別の陪審員に聞かせたのです。

ひとつは、弁護側から二人の証人を出し、つぎに検事側から二人の証人を出す。

その後また弁護側から二人の証人をだしと、交互に二人ずつ証言していくのです。

もうひとつは、先にいっぽうの側から6人続けて証人を出し、その後、もういっぽうの側から6人続けて証人を出すというものです。

いずれの場合も陪審員は、最後に証言した側を指示するほう公に傾いたのです。

つまり、最後に示される意見ほど印象に残りやすく、周囲からの指示を受けやすいということです。

そう考えると、会議でも最初に出た意見は、最終的には、支持を得にくいことになります。

自分の意見を通したいときには、もっとも主張したいことは、最後までとっておき、そろそろ終了という間際になって、ここぞとばかりに発言すればいいのです。

すると、参加者たちは、その発言を支持し、賛同する可能性が高いということになります。






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