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優柔不断な人間に、「即決」させる奥の手




デパートなどの紳士服コーナーでは、彼女といっしょに服を選んでいる男性が少なくありません。自分だけでは、どの服がいいか決められないので、彼女に見立ててもらおうというわけです。

このとき、カップルの行動パターンは大きく二通りに分かれます。

ひとつは、二人であれこれ探していますが、なかなか決まらないカップル。

もうひとつは、すぐに気に入った服を見つけ、さっさと買っていくカップルです。


なかなか決まらないカップルを見ていると、彼女が「この服は?」と聞くのですが、彼氏のほうが煮え切らない。

「うーん、どうかなあ」と言いながら、いいとも悪いとも言わない。別の服を彼女が見せても、やはり「うーん」といって、黙ってしまう。そんなことを繰り返して、けっきょく買う服が決まらないのです。

いっぽう、すぐに決まるカップルを見ると、彼女がまず二、三種類の服を選んでしまう。「こっちの服とこっちの服なら、どっちがいい?」といった具合です。

また、「赤と青はどっちがいい?」「エリがあるこっちと、エリがないこっちでは、どっちがいい?」などと、条件を提示して選ばせていきます。

そうして、服の条件をどんどんしぼっていき、最後にはやはり二つくらい残して、「どっちがいい?」と決めさせるのです。これで、買う服が決まるのです。

この明確な選択肢から選ばせるのは、優柔不断な人に意思決定させるのに効果的名方法です。優柔不断な人間に何かを決定させるときは、「どれにしますか」ではなく、「○○と△△のどちらになさいますか」と聞くと、決断が早まるのです。

また、この方法には、ひとつの心理トリックが隠されています。

このやり方だと、決めた男性は、彼女に、「決めてもらった」のではなく、「自分で決めた」と思うのです。

「彼女に決めてもらった」というのでは、「洋服も自分で選べない」という気持ちになります。ところが、二者択一方式にすると、実際には彼女が選んでいても、本人は「自分で決めた」と錯覚できます。本人のプライドは傷つかないわけで、ますますめでたしめでたしなのです。

このやり方は、熟練した販売員がよく使う手でもあります。

「これがお似合いですよ」と販売員が決めてしまったのでは、なんだか押し付けられたようで、お客はいい気がしません。

それを「これと、これのどちらになさいますか」と言われて決めると、いかにも自分で選んだ気になって、お客は納得して買うことができるのです。






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