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■優柔不断な人間に、「即決」させる奥の手デパートなどの紳士服コーナーでは、彼女といっしょに服を選んでいる男性が少なくありません。自分だけでは、どの服がいいか決められないので、彼女に見立ててもらおうというわけです。 このとき、カップルの行動パターンは大きく二通りに分かれます。 ひとつは、二人であれこれ探していますが、なかなか決まらないカップル。 もうひとつは、すぐに気に入った服を見つけ、さっさと買っていくカップルです。 なかなか決まらないカップルを見ていると、彼女が「この服は?」と聞くのですが、彼氏のほうが煮え切らない。 「うーん、どうかなあ」と言いながら、いいとも悪いとも言わない。別の服を彼女が見せても、やはり「うーん」といって、黙ってしまう。そんなことを繰り返して、けっきょく買う服が決まらないのです。 いっぽう、すぐに決まるカップルを見ると、彼女がまず二、三種類の服を選んでしまう。「こっちの服とこっちの服なら、どっちがいい?」といった具合です。 また、「赤と青はどっちがいい?」「エリがあるこっちと、エリがないこっちでは、どっちがいい?」などと、条件を提示して選ばせていきます。 そうして、服の条件をどんどんしぼっていき、最後にはやはり二つくらい残して、「どっちがいい?」と決めさせるのです。これで、買う服が決まるのです。 この明確な選択肢から選ばせるのは、優柔不断な人に意思決定させるのに効果的名方法です。優柔不断な人間に何かを決定させるときは、「どれにしますか」ではなく、「○○と△△のどちらになさいますか」と聞くと、決断が早まるのです。 また、この方法には、ひとつの心理トリックが隠されています。 このやり方だと、決めた男性は、彼女に、「決めてもらった」のではなく、「自分で決めた」と思うのです。 「彼女に決めてもらった」というのでは、「洋服も自分で選べない」という気持ちになります。ところが、二者択一方式にすると、実際には彼女が選んでいても、本人は「自分で決めた」と錯覚できます。本人のプライドは傷つかないわけで、ますますめでたしめでたしなのです。 このやり方は、熟練した販売員がよく使う手でもあります。 「これがお似合いですよ」と販売員が決めてしまったのでは、なんだか押し付けられたようで、お客はいい気がしません。 それを「これと、これのどちらになさいますか」と言われて決めると、いかにも自分で選んだ気になって、お客は納得して買うことができるのです。 |
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