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■やる気のない男にやる気を起こさせる魔法のひと言神経症患者にたいする治療の一つに、森田療法の「臥褥(がじょく)療法」があります。 何もやる気がない、生きる気力もないといった患者をベッドに寝かせ、食事とトイレ以外に起きることを禁止するのです。 すると、その状態を一週間ほど続けているうちに、患者の気持ちに変化が生じてきます。もっと動いたり、人と話をしたいという欲求がわいてくるのです。 これは、人間の心のなかにある「生きたい」という欲求を逆療法で引きだす方法といえますが、似たような手法は日常生活でも使えます。 あえて「するな」と禁止することで、相手のやる気を引きだすのです。「するな」といわれるほどやりたくなるのは、たとえば若者にとってのタバコがそうだろう。 高校時代は隠れてぶかぶか吸っていたのに、成人して自由に吸っていいとなると、「体に悪いから、二十歳になったのをきっかけにやめる」という若者も少なくないそうです。10代の間は、禁止されることでタバコをより魅力的に感じていたのです。 アメリカの都市ボストンでは、以前こんな話があった。「カリギュラ」という古代ローマ皇帝の残虐ぶりを描いた映画が封切りされたときのことです。 ボストンでは、残虐シーンやセックスシーンが過激すぎるということで、上映が禁止されてしまった。すると、禁止されたことで、この映画は大きな話題となり、ボストンから隣町まで見にいく人が続出した。 あまりの人気ぶりに、その後、「カリギュラ」は結局ボストンでも上映されることになったそうですが、普段なら残虐シーンに興味を示さない人まで、映画館に押し寄せたといいます。 そう考えると、やる気のない相手には、「もっとやる気を出せ」と頭ごなしにいうよりも、「やるな」というほうが効果的なことがわかります。 いくらいっても勉強しない子どもには、「勉強しなさい」というよりも、「勉強なんてするな」と突き放しておく。「やるな」といわれると、やらなければならない気がして、自分から机に向かうようになるのです。 あるいは、花見や忘年会など、課内の年中行事を課員たちが嫌がるときは、いっそのこと、「今年の年中行事はすべて中止」にしてしまう。まったくやらないとなると、「ないのは寂しい」となって、自分たちで企画・実行するようになるのです。 |
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