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ウソもみんながつけば、真実性が増してくる




人間の判断は、人の言うことにきわめて左右されやすい。誰かが部屋のすみを指して「あそこに何かいる」とでも言えば、何も見えなくても、霊か何かがいるような、不気味な感じがしてくるものです。

また、自分では元気なつもりなのに、まわりから、「顔色が悪いんじゃないの」と言われると、本当に体調が悪いような気がしてきます。

こうした人間心理をもっと積極的に利用して、わざとウソを言って、それを信じ込ませる方法もあります。

やり方次第では、どう見ても青にしか見えない色を「緑色」に見せることだってできるのです。

それは、次のような心理実験で確かめられています。

アメリカで6人の女子学生を対象に、スライドを見せる色覚実験が行われました。

6人に色覚検査を受けさせ、その後、青い色のスライドを見せて、それは何色香と問うのです。

ただし、6人のなかの2人はサクラで、前もって「緑」というように仕込んであります。つまり、6人中、本当の被験者は4人というわけです。

スライドを見たとき、サクラは自信たっぷりに「緑です」と答える。この自信たっぷりに答える様子に影響されて、青のスライドを「緑」と答える女子学生が出てくるのです。

これを32グループについて行ったところ、被験者128人中11人が「緑」と答えた。これは、全体の約8.5%に当たる数字です。

しかも、この実験をその後何回も行ったところ、以前は「青」と答えた人でも、「緑」と答える人が増え始めたそうです。

それだけみんな、他人から自信たっぷりにウソをつかれると、自分の意見に自信がなくなってしまうのです。

たとえば、同じ女性を好きなライバルにたいして、「彼女はオレに気があるそぶりをしていた」とか「お前はいかにも女ウケしないタイプだよな」などと言ってみます。

友人にも頼んで、いっしょに言ってもらう。なん人かから同じことを聞かされると、相手は自信を失い、勝手に自滅するかもしれません。

あるいは、化粧品のセールスで、実際にメイクをして「以前よりも、ずっとお若く見えます」とまことしやかに言います。

このとき、周囲の2〜3人から口々に言われれば、たいした違いがなくても、本人はその気になり、化粧品を買う気になりやすいのです。





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