|
■渋られたら引いてみるビジネスの世界で、誠意ある態度だけが実を結ぶと信じるのは、よほど世の中を知らない人間です。互いに利益がせめぎ合う中では、正直者の真心よりハッタリが役に立ち、本心とは逆の態度に出て、自分に有利な結論を得るのです。 たとえば、さんざんてこずらされ、ようやく商談成立が目前というときがきても、最後の詰めで滞ることはあり、いくら話し合っても突破口がみつからない。 ★そんなときには、ハッタリをかましてみるのです。 「これまで長いこと付き合いさせていただいたのに、残念ですが」 と、嫌ならやめてもかまいません、とばかりに打ち切りを提案するのです。 もちろん、それは本音ではありません。なんとしてでも成立させたい商談だからこそ、大胆に脅しをかけます。相手側にしても、長い時間をかけた末にご破算となっては、すべてが無駄になります。 その弱みに付け込んで、「こちらは打ち切ってもいい」と宣言し、相手が全面降伏するよう仕掛けるのです。 交渉に要した時間が短い場合や、交渉の初期段階での「やめてもいい宣言」は、相手も失うものがあまりなく、すんなり受け入れられて本当に終わりになる確率が高いです。 ★「嫌ならやめてもいい」が切り札になり得るのは、あくまで、じっくり時間をかけて続けてきた交渉のみ。土壇場の決めゼリフとここ得ることです。 相手側に「ここまでやってきて、今さらご破算になるのはもったいない、困る」という気持ちがなければ、この作戦は通用しません。そういう心理を逆手に取るのが、きわどい駆け引きに勝つコツです。 交渉ごとに長けた相手は、この「やめてもいい」という戦術を、先に仕掛けてくる可能性もあります。そのときは全面降伏などせず、まずは相手の本心を探ることです。ただのハッタリだと察知したら、そ知らぬふりをして、こちらも「やめようか」と考える様子を見せるのもいいでしょう。 相手は焦り始め、形勢逆転、こちらが優位に立つことになるでしょう。 |
|
||||||||||||||||||||||||||
Copyright(c)2015 ワルから学ぶ言葉の裏に隠されたブラック心理 all rights reserved. |