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根回しを徹底する


ここいちばんというプレゼンテーションにの臨むときは、根回しが肝心です。たとえ、すばらしい新製品のアイデアがあっても、ライバルに反論され、つぶされてはたまりません。自分に歯向かってくる意見は、何としても封じ込める必要があります。

★そこで使うのが、心理学用語でいう「バドンワゴン効果」です。



バンドワゴン効果とは、リオのカーニバルなど、大きなお祭りのパレードに繰り出される楽隊車のことです。このバンドワゴンが笛や太鼓の演奏とともに近づいてくると、パレードを待っていた見物人たちがウキウキしてきて、お祭り気分が高まります。

祭りの見物人が受ける影響のように、会議では「賛成!」の発言や盛大な拍手などによって、ほかの人々まで賛成意見に染まりやすくなります。逆に、「反対!」の声が次々に上がると反対意見に染まりやすくなります。

これが「バンドワゴン効果」で。ムード作りをしてバンドワゴン効果を高める人々を「バンドワゴン・アピール」と呼びます。

人間には、他人と同調しようとする心理があるため、バンドワゴン効果が起きます。とくに日本人は「人の和」を重んじるため、あまり自己主張せずに他人と同調しようとする気持ちが強いです。会議全体が賛成ムードになれば、「反対」と言いにくくなって、バンドワゴン効果が起こりやすいです。

★したがって、
戦いは会議の前から始まっています。根回しにより、バンドワゴン・アピールになる人を、前もって確保しておくのです。自分の意見に賛同する人、親しい同僚などにあたりをつけ、話をさりげなく持ちかけます。

自分が「いかがでしょうか?」と出席者の意見を聞いたときに、すかさず「賛成!」「名案だ!」などと大声で叫んだり、大きな拍手をしたりしてもらうように頼んでおくのです。

もちろん、バンドワゴン・アピールは多いほど有利です。できるだけ多くの人に打診し、数を集めておくといいでしょう。

また、一目置かれている人物やムードメーカー的存在の同僚など、その人さえいれば場が盛り上がるという人は、バンドワゴン・アピールとしての能力が高いです。そうした人に根回しをしておくと、より高い効果が得られます。

とりわけ、賛成・反対の判断が難しい議論や、どちらでもいい、という人が多い問題では、バンドワゴン効果が大いに期待できます。

言うまでもなく、結論を反対へと導きたいときも、この手が使えます。自分に都合の悪い意見が通りそうなときは、根回しして反対意見の人を集め、打ち合わせをしておくことです。一斉に反対すれば、敵の意見をつぶしやすいです。






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