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■人の長所だけ見ていたら、世渡りはできないテレビや新聞の人生相談に、「同僚と仲良くできないのですが、どうすればいいですか」とか、「姑と折り合いが悪いのですが、別居したほうが良いでしょうか」といった人間関係の悩みが寄せられます。 これに対して、判で押したように、「相手の良いところを見るようにしましょう。 誰でも必ず良いところがあるものです。 相手の良いところを見るようにしますと、相手の対応も変わってくるでしょう」という回答が返ってきますね。 なるほど、人は他人のいやな部分を見て、その人のことを嫌います。欠点だけの人はいないし、いっぽう、どんな人も良いところがあるのも事実です。 しかし、長所や良いところだけを見て、どうなるというのです。 長所ばかりを見ると、相手の欠点は見えなくなります。 恋の病がまさにそれですね。 古いたとえでは、「あばたもえくぼ」とか、「亭主の好きな赤烏帽子」などといいます。 人は他人のことを表向きは、長所を見て判断しているように見せかけていて、じつは欠点を見ているものです。 また、欠点を含めて、相手を認めることがいちばんいい関係といえるでしょう。 子どもに対して、「友達のいい面だけを見るようにしなさい」といって育てたら、その子は人を見る目が身につかないまま大人になっていくでしょう。 もちろん、長所を見る、あるいは長所を見抜くことは必要に違いありませんが、世間を知り、社会をたくましく生きていくためには、長所だけではなく、欠点を見ることも必要です。 |
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