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■「頑張らなくていい」という甘い言葉にダマされるなやさしさや癒しを求める風潮の一連なのか、最近は「がんばらなくていい」という発想が生まれてきました。 日本人は戦後、焼け跡の廃墟から、国民一人ひとりが立ち上がり、がんばってきた結果、アメリカに次ぐ経済大国になったといわれています。 高度成長期はみんなが頑張れ頑張れ、頑張ればもっと良い生活ができると信じて、頑張り続けてきました。子どもも、頑張ればいい大学へ入学でき、大企業に就職ができ、一生安泰だった。だから、頑張れ頑張れと、親から勉強を強いられてきたものです。 ところが、バブルがはじけて以降は、頑張っても給料は上がらない。それどころか、リストラの憂き目に遭う人が続出してきましたね。 がんばろうにも、頑張る対象がなくなってきたのです。同時に、頑張って経済的に豊かな生活を志向するのはやめよう、慎ましくても心豊かな生活を送ろう、という風潮が生まれてきたのです。 頑張れ頑張れといわれることは、精神的にプレッシャーにになります。 だから頑張れと子どもに言うのは、よそうという考え方が生まれてきました。 頑張れといわれると、むかつき、キレる子どももいるといいます。その思想では、やさしさ、癒し、休息、内面の充実などが重要になってきます。 そういった時代を反映したのか、「頑張らない」を標榜した本がたくさん出版されました。 では、頑張らないのなら、どうすればいいのか。 これらの本を読んでも明快な答えは見つかりません。 たとえば、そのうちの一冊を見ても、「頑張らない」というより、仕事や人間関係で疲れたら、ちょっと休もうなどと、こまかいノウハウを提示しています。だからといって、「頑張らなくていい」とは書いていません。 当たり前ですが、「頑張りたくないのですか」と問われたら、その答えは「頑張るしかない」でしょう。頑張らないということは、戦いの放棄に過ぎないし、戦いを放棄したくなかったら頑張り続けるしかありません。 無理をせず、頑張りすぎずに社会で自信を持って生きていけるのは、頑張った結果得られることです。「頑張らない」は、現代の日本で作り出された、新たな常識のウソです。 |
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