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いいニュースは、すぐに伝えない


当然のことながら、上司や取引先を怒らせるのは、利口ではありません。自分に非があろうとも、苦境に立たされる事態だけは巧妙に避ける必要があります。

そのために使うのがグッドニュースです。
たとえば、取引先手のアポイントをすっぽかしたとき、たいていの人間は、あわてふためいて上司に言い訳をするでしょう。
しかし、こんなときこそ冷静沈着に行動すべきです。当の取引先からの確認の電話にも、眉ひとつ動かさない。頭の回る上司は、部下の動向に目を光らせているからです。

そこで、先方の嫌味にも誠意ある対応を見せ、次の約束に応じてもらえるよう口説きつつ、頭の中では上司にどう報告するかを考えます。



★もっとも効果的なのは、悪い報告の跡でグッドニュースを与える方法です。
「申し訳ありません。本日○○商事様とお約束があったのですが、別の仕事がずれ込んで訪問できませんでした。ただ、来週改めてうかがうときには、都合がつけば担当者の上司が同席くださるようなので、話が一段階進みそうです」

先方の確約など必要ない。ウソでもいいから、上司が喜びそうな情報を付け加えるのです。「都合がつけば・・」ぐらいに言っておけば、当日、担当者の上司と会えなかったとしても、言い逃れができるでしょう。

あいまいな内容にとどめておけば、うそも方便です。後から何とでも取り繕えます。
商談が進展するかもしれないというグッドニュースに、上司の気持ちはやわらぐでしょう。

アポイントを忘れたなどという初歩的なミスをすると、下手をすれば社会人失格の烙印を押されかねません。だからこそ、こみ上げてくる怒りを思わず飲み込んでしまうようなプラスの情報で、上司の気をそらすわけです。

★そのためにも、日ごろからグッドニュースをストックしておくといいでしょう。責任回避ができないミスをしたときに、大いに効力を発揮します。

商談がちょっとした進展を見せたということや、いちいち報告するまでもない手柄など、知恵を働かせて貯めておき、いざというときに、すぐに引っ張り出せるようにしておくことです。

また、たいしたミスでもない場合は、隠せるものなら隠しておき、いい情報が入ったときに、一緒に軽く報告するといいでしょう。
「こんな失敗もありましたが、だからこそ結局は商談成立にたどりつけました」という調子で、ハッピーエンドで結ぶ報告にするのもひとつの方法です。





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