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説得できにくい相手に対する主導権の握り方

ビジネスでも、職場の人間関係でも、なかなか説得できにくい相手というものがいるものです。そんなときに、強引に説得しようとしても、逆に話がこじれるだけで、何の進展もありません。

ここでは、そういう難攻不落な相手、膠着状態に陥った相手に対する主導権の握り方について、ご紹介しましょう。



■難攻不落の相手に対しては、迷わずしばらく放っておく

いくら手を尽くしても、まったく進展しない。
そんな関係なら、
とりあえず放っておくことも一つの手です。

人を説得する場合、その効果がすぐに表れるとはかぎりませんが、一週間、二週間と、しばらく時間が経過すると効果が表れることがあります。これを心理学では、「
スリーパー効果」と呼ばれます。

これは、時間の経過によって、説得の際の話の内容が純粋に情報として相手に理解されるようになるために生じます。

私たちは、人の話を聞くとき、相手のしぐさや表情と話の内容を一緒に受けとめています。ところが、時間が経過すると、話をした人に対する情報と話しの内容とが分離して、話の内容によって判断が下せるようになるのです。

ですから、関係が難航しているからといって、次々と攻め続けるのは考えものです。

むしろ、冷却期間をおき、スリーパー効果が表れる頃を見計らって、再び説得を開始するのがよいでしょう。

その期間は、一週間から一ヶ月の間という幅があると思われます。

この効果を考えれば、こちらの話にまったく乗ってこない相手でも、言いたいことだけはきちんと伝えておくことが重要になります。相手に対する好意もできるだけはっきり伝えておいたほうがいいでしょう。

相手が眠りから覚めれば、思いもかけない進展に繋がるかもしれません。



■膠着状態の相手に対しては、意表を突く行動

相手ともう一歩親しくなりたい、相手の領域にもう一歩踏み込みたいとき、
思い切って何か大胆な行動に出てみると、二人の関係に新しい展開の道が見えてくるかもしれません。

たとえば、都会で知り合ったカップルで、男性がなかなかプロポーズしてくれなかったような場合、女性が田舎へ帰って結婚すると、告げたとします。

男性のほうは寝耳に水で、やっと彼女の存在価値に気づいて、改めて自分の気持ちを問い直すきっかけになることがあります。

毎日なにげなく過ごしている生活のなかで、予期しない出来事や行動が、相手の気持ちに大きく影響を与えることがあります。

この女性の場合、彼から離れるということで彼の心を目覚めさせたわけですが、逆に、デートを重ねているがマンネリ化している際に、「今度、田舎に行こう」と、今までより近づくことで、相手の心を目覚めさせるケースもあります。

いずれにせよ、それまでの関係の段階から、次元の違う関係の段階を示すわけです。これによって、驚いた相手が新たな対応を考えるのです。これを心理学では「心理的覚醒行動」と呼んでいます。

この覚醒行動がいつも成功するとはかぎりませんが、相手の心に新鮮なショックを与えますので、相手を動かすのに効果的といえるでしょう。

もっと親しくなりたいとき、膠着状態に陥った交際や交渉に打開の糸口を見出したいとき、思い切った意表を突く行動で相手の心に訴えてみましょう。





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