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■相手の身内を気にかけ、好感を引き出そう人に好意を抱かせる有効な方法として、「身内」を使うテクニックがあります。 たとえば、売れなくなった芸能人が、子育てや介護体験をワイドショーなどで語り、ふたたび人気を取り戻すのがそうです。 自分にはみんな子どもがいる。こんな親がいると語ることで、視聴者をその芸能人と親しくなったような気持ちにさせるのです。 その親近感が「また見たい、話を聞きたい」という気持ちにさせ、人気の復活へと結びつくわけです。 プライバシーを公開すると人気を得やすいのは、芸能人に限りません。 たとえば、政治家の場合でも、政策を語るよりも、プライバシーを語ったほうが、得票は増える傾向があります。 以下は、アメリカのラジオ番組が行った実験で、三人の候補者をつぎの三パターンで紹介するというもの。 一人目は、学歴や政治家としての人となりをくわしく紹介し、政治家としての資質がいかに恵まれているかを語ります。 二人目は、これまでの政治歴や、その実績を紹介します。 三人目は、プライベートな話を中心にし、彼が自分の子どもを大切にして、毎朝、犬の散歩をするといったことを紹介します。 その後、番組のリスナーに三人のうち一人に投票してもらったところ、三人目の候補者の得票数が圧倒的に多かったということです。 要するに、その政治家がどんな政策や政治信条を持っているかよりも、家族のことや趣味をオープンにしたほうが、有権者から親しみや共感を得やすいということです。 相手から好感を得るためには、自分の身内の話をするのが効果的なわけですが、これは逆の方法も通用します。 相手の身内など、相手が大切に思っている人を話題にすることで、相手から好感を引き出すことができるのです。 たとえば、親しくなりたい相手に物を贈るとき、「これ、お父さんにどうぞ」といってみます。すると、相手は自分にプレゼントされたときよりも、さらに好意を抱きやすくなります。 自分だけでなく、身内にまで気を配ってくれることで、心理的距離がさらに近づくためです。 好意を持っている女性が郷里から帰ってきたとき、「お父さんやお母さん、元気だった?」と利くだけでも、彼女の気持ちをこちらに向かせやすくなるでしょう。 |
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